樹木の冬芽と葉痕 科別 カ |
冬芽は冬の時期に枝の先や途中についている葉や花の芽のことをいい、毛で覆われたもの、芽鱗(がりん)で覆われたもの、副芽という予備の芽を持ったものなど色々な形がある。 アカメガシワやムラサキシキブなどのように小さな葉の形をした裸芽(らが)や、コナラやタブノキなどのように魚のうろこのようなもの(芽鱗)に包まれているものがある。葉芽と花芽がいっしょに入っているものを混芽という。 さらに、葉柄がついていたあと(葉痕)やその中の維管束痕の形も様々で、落葉樹では木の名前を調べるときに役立つ。 参考サイト 冬芽と葉痕集 愉快な冬芽・葉痕達 |
カキノキ科 | ||
カキノキ | 卵形で先端は尖って2枚の芽鱗に包まれる。葉痕は半円形。 | |
マメガキ | ||
リュウキュウマメガキ | ||
カバノキ科 | ||
アカシデ | 16〜18枚の芽鱗に包まれた先端の尖った紡錘形で枝の太さに比べて大きい。緑色を帯びてやや開出して枝につく。葉痕は半円形。 | |
イヌシデ | 卵形で先端はややとがる。芽鱗は12〜14個。 | |
クマシデ | 長さ6〜10mmの紡錘形。芽鱗は14〜16個。葉痕は半円形。 | |
オオバヤシャブシ | 長さ1〜1.5cmの披針形。芽鱗は3〜4個。雄花序の冬芽は雌花序より下につく。葉痕は三角形。 | |
ヒメヤシャブシ | 披針形で鋭くとがりる。芽鱗は3〜4個。仮頂芽は側芽とほぼ同形、長さ6〜12mm。葉痕は3角形。枝頂に雄花序がつく。 | |
ケヤマハンノキ | 長卵形で先は丸く、柄がある。表面には毛がある。葉痕は三角形。 | |
ガマズミ科 | ||
ガマズミ | 長さ5mmぐらいの卵形で、芽を包む芽鱗は2対あって、外側の1対が小さい。表面には毛が生えている。 | |
コバノガマズミ | 卵形でやや開出し、対生する。芽鱗は2対で褐色、毛が多い。外側の芽鱗が小さい。 | |
ヤブデマリ | 長さ4〜9mmの長楕円状披針形。表面には星状毛が多い。2個の芽鱗が合着して冬芽を包んでいる。 | |
ニワトコ | 長卵形〜卵形。混芽はほぼ球形でおおきく、反対側が下になると小さな葉芽になる。芽鱗は4〜6対。葉痕は半月形で維管束痕は3〜5個。 | |
ゴマキ | 頂芽は長さ1.5〜2cm。先は尖る。側芽は5〜8mm。芽鱗は2対あり、外側の芽鱗は無毛で小さく、早く脱落する。 | |
ミヤマガマズミ | 冬芽の芽鱗は2対あり、外側の1対は小さい。全く毛のないものや、粗い毛が目立つものがある。 | |
キク科 | ||
コウヤボウキ | 丸い。白っぽい長い毛が密生する。葉痕は隆起する。 | |
キブシ科 | ||
キブシ | 側芽は広卵形。先はとがり、2〜4個の芽鱗。芽鱗は無毛、赤褐色〜暗褐色。葉痕は半円形、維管束痕は3個。 | |
キョウチクトウ科 | ||
テイカカズラ | ||
キジョラン | ||
キリ科 | ||
キリ | 冬芽は球形または円錐形で先端はややとがり、4〜6枚の芽鱗がある。葉痕は大きく、円形または心形。 | |
キンポウゲ科 | ||
センニンソウ | ||
ケハンショウヅル | ||
ボタンヅル | ||
クスノキ科 | ||
カゴノキ | 葉芽は細長い披針形。花めは球形で葉腋に3〜4個つく。 | |
クスノキ | 長卵形で先はとがり、淡赤褐色。 | |
クロモジ | 長さ1.5cm位の紡錘形、基部にある丸いのは花芽。 | |
カナクギノキ | 葉芽は紡錘形で、芽鱗は赤褐色。花芽は丸く、柄の先に上向きにつく。 | |
シロダモ | 葉芽は長楕円形で先端は尖る。毛が密生する。花芽は球形で無柄。 | |
タブノキ | 枝先に1cmぐらいの赤みを帯び、多数の瓦を重ねたような鱗片に包まれた冬芽が一つだけつく。鱗片のふちには黄褐色の毛がある。 | |
ダンコウバイ | 葉芽は楕円形。花芽は直径4〜6mmの球形。葉痕は半円形。維管束痕は1個または3個。 | |
ハマビワ | 葉芽は長楕円形で先はとがる。細い白毛のある幅の広い鱗片に包まれる。 | |
ヤブニッケイ | 裸芽で互生。頂芽は広卵形で側芽より大きい。鱗状の毛に覆われる。 | |
ヤマコウバシ | 混芽。7〜9枚の赤褐色の芽鱗に包まれた紡錘形。クロモジ属で混芽は本種のみ。葉痕は半円形。 | |
グミ科 | ||
アキグミ | 裸芽で互生。頂芽は広卵形で側芽より大きい。鱗状の毛に覆われる。 | |
マルバアキグミ | ||
ツルグミ | 冬芽は鱗状の毛が密生。葉痕は半円形で維管束痕が1個 | |
ナワシログミ | ||
クルミ科 | ||
ノグルミ | 頂芽は卵形で先端が尖る。側芽は小さい。葉痕はハート形または半円形。 | |
オニグルミ | 裸芽で円錐形または円錐状卵形で先端はとがり、黄褐色または濃褐色で短毛が密生する。葉痕は大きく、T字形。 | |
クロウメモドキ科 | ||
クマヤナギ | 冬芽は長さ1〜2mmの楕円形。枝に伏生する。芽鱗は赤褐色で無毛。葉痕は半円形〜三角形で隆起する。維管束痕は3個。 | |
ネコノチチ | 冬芽は長さ1〜2mmの扁平な三角形。 | |
クワ科 | ||
イタビカズラ | ||
オオイタビ | ||
イヌビワ | 円錐形で、先が細くなり尖る。2個の托葉が基部で合着し芽鱗状となり冬芽を包み、この托葉が落ちた痕が托葉痕で枝を一周する。葉痕は円形または腎臓形で、托葉痕が枝を一周する。 | |
ホソバイヌビワ | 円錐形で、先が細くなり尖る。2個の托葉が基部で合着し芽鱗状となり冬芽を包み、この托葉が落ちた痕が托葉痕で枝を一周する。葉痕は円形または腎臓形で、托葉痕が枝を一周する。 | |
イチジク | 冬芽の頂芽は円錐形で先端は鋭くとがり、2枚の芽鱗に包まれる。托葉痕は枝を1周する。葉痕はほぼ円形で大きい。 | |
ヒメコウゾ | 卵状三角形。褐色で無毛の芽鱗が2個ある。側芽は枝に圧着してつく。葉痕は扁円形。左右の肩に托葉痕がある。 | |
ヤマグワ | 長さ3〜6mmの卵形。芽鱗は4〜7個あり、淡褐色で無毛。葉痕は半円形〜扁円形。多数の維管束痕が輪状に並ぶ。 | |
マグワ | 冬芽は広卵形または円錐形で先端はとがり、5〜6枚の芽鱗に包まれる。葉痕は半円形またはやや三角形。 | |
カジノキ | 冬芽は三角形。褐色で有毛の芽鱗が2個ある。葉痕は扁円形で、左右の肩に托葉痕がある。 | |
ケグワ | ||
コミカンソウ科 | ||
コバンノキ | 卵形で横に2個並ぶ。葉痕は円形、維管束痕は1個。古い枝では古い葉痕の上に落枝痕が2個並ぶ。 | |