樹木の冬芽と葉痕 科別ハ |
冬芽は冬の時期に枝の先や途中についている葉や花の芽のことをいい、毛で覆われたもの、芽鱗(がりん)で覆われたもの、副芽という予備の芽を持ったものなど色々な形がある。 アカメガシワやムラサキシキブなどのように小さな葉の形をした裸芽(らが)や、コナラやタブノキなどのように魚のうろこのようなもの(芽鱗)に包まれているものがある。葉芽と花芽がいっしょに入っているものを混芽という。 さらに、葉柄がついていたあと(葉痕)やその中の維管束痕の形も様々で、落葉樹では木の名前を調べるときに役立つ。 参考サイト 冬芽と葉痕集 愉快な冬芽・葉痕達 |
ハイノキ科 | |||
クロキ | 葉芽は枝先につき、細長くとがり、多少彎曲し無毛。 | ||
タンナサワフタギ | 卵形。長さ約2mm。褐色で無毛。芽鱗は数個。葉痕は円形で維管束痕は1個。 | ||
ハナイカダ科 | |||
ハナイカダ | 頂芽は長さ4〜6mmの卵形、赤褐色で無毛。側芽は小さい。葉痕は半円形。維管束痕は大きく1個。 | ||
バラ科 | |||
エビガライチゴ | 冬芽は紡錘形で軟毛がある。 | ||
オオウラジロノキ | 芽鱗のふちに白毛が密生する。 | ||
カジイチゴ | |||
カマツカ | 冬芽は長さ2〜3mmの円錐形で赤褐色。葉痕はV字形で維管束痕は3個 。 | ||
クサイチゴ | |||
クマイチゴ | 暗紫色、卵形。葉痕は三日月〜三角形で維管束痕は3個。 | ||
ザイフリボク | 赤色〜紅紫色で光沢がある。冬でも芽鱗が少し開き、時に白毛が現れる。 | ||
シャリンバイ | |||
タチバナモドキ | |||
モミジイチゴ | 紡錘形。赤みを帯びた芽鱗が5〜7個。 | ||
ナナカマド | 頂芽は長楕円形で先端は尖る。芽鱗は2〜4個。葉痕は三日月形。 | ||
ナワシロイチゴ | |||
ノイバラ | 長さ約2.5mmの三角状。 | ||
ヤマイバラ | |||
ビワ | 褐色の綿毛におおわれる。 | ||
ヤマザクラ | 長さ6〜9mmの長卵形で無毛。芽鱗の先はやや外に開く。葉痕は三角形〜三日月形。 | ||
カスミザクラ | 紡錘形〜長楕円形で先は尖る。無毛。葉痕は三角形〜半円形。維管束痕は3個。 | ||
ヤマブキ | 長卵形で先端がとがる。芽鱗は緑〜赤褐色。 | ||
ユキヤナギ | 冬芽は長さ1〜2mmの卵形。芽鱗は紅紫色または緑色で、ふちには白色の微毛がある。 | ||
ワタゲカマツカ | |||
ウラジロノキ | 長さ5mmほどの卵形。芽鱗は赤褐色〜紅紫色。葉痕の基部が残り、葉痕は隆起する。 | ||
ウワミズザクラ | 冬芽は卵形又は三角状卵形で先端はとがる。2年枝には円形の落枝痕が目立つ。 | ||
リンボク | 冬芽は円錐形で濃褐色芽鱗のふちに細かい鋸歯がある。 | ||
イヌザクラ | 冬芽は卵形で先はとがる。紅紫色で、光沢があり、無毛。葉痕は半円形〜腎形、維管束痕は3個。 | ||
ハマナス | |||
トキワサンザシ | |||
ブドウ科 | |||
エビヅル | 円錐形〜半球形。長さ2〜3mm。無毛だが、芽鱗が取れると褐色縮毛がある。 | ||
サンカクヅル | 冬芽は長さ1〜3mmの卵状三角形。芽鱗は2個。 | ||
ツタ | 円錐形で先端は尖る。長さ1〜2mm。葉痕はほぼ円形。 | ||
ノブドウ | 冬芽は半円形の葉痕の奥に隠れている。 | ||
ブナ科 | ||
アカガシ | 楕円形で細い絹毛がある。 | |
アベマキ | 冬芽は長さ4〜8mmの長卵形。芽鱗は20〜30個。芽鱗のふちには灰色の毛が密生する。葉痕は半円形。 | |
アラカシ | 卵形。茶色のうろこ状の芽鱗で被われ、長さ約5mm程度。一か所に多くの冬芽ができる。 | |
ウラジロガシ | 長楕円形。芽鱗には白色の絹毛が密生する | |
クヌギ | 長さ4〜8mmの長卵形。芽鱗は20〜30個。芽鱗のふちには灰色の毛が密生する。葉痕は半円形。 | |
クリ | 卵形〜広卵形でやや扁平。クリの実に似た形。頂芽はない。仮頂芽は側芽よりやや大きい。葉痕は半円形。 | |
コナラ | 頂芽は卵形。頂生側芽と呼ばれる同形の側芽が回りに集まる。葉痕は半円形。 | |
シラカシ | 長卵形または卵形、5角錐形。下部の芽鱗は褐色、先のほうは、淡緑色で、ともに毛がある。 | |
スダジイ | やや扁平な長楕円形。 | |
ツクバネガシ | ||
ナラガシワ | 頂芽の回りに頂生側芽が集まってつく。長楕円形で、先きは鈍い。 | |
マテバシイ | ||
ブナ | 冬芽は長さ1〜3cmの披針形。本年枝と2年枝の境にはっきりした輪状の芽鱗痕がある。 | |
イヌブナ | 披針形で、先は鋭くとがる。本年枝と2年枝の境にはっきりした輪状の芽鱗痕がある。 | |