常緑高木 本州〜九州の暖地に見られるが、本来の自生かどうかは疑問とされている。高さ20m以上、直径2mになる。高さ55mに達するものもあるという。樹皮は帯黄褐色。短冊状に縦に裂ける。新枝は黄緑色で無毛。葉は互生。葉身は長さ5〜12cm、幅3〜6cmの卵形〜楕円形。両端ともとがる。やや革質で両面とも無毛。表面は緑色で光沢がある。裏面は灰白色を帯びる。主脈と主脈の基部近くからのびる2本の支脈が目立つ。葉裏の脈腋にはふつう小孔があるのが特徴で、まれに虫えいが生じる。若葉は黄緑色から帯紅色。古葉は紅葉し、春に新葉が展開すると落葉する。葉柄は長さ1.5〜2.5cm。新葉の脇から円錐花序をだし、小さな黄緑色の花をまばらにつける。花は放射相称、花被は筒形で上部はふつう6裂する。花被片は長さ約1.5mm、花のあと脱落し、杯形の筒部だけ残る。雄しべは9個。ふつう3個ずつ3輪に並び、内側には退化した仮雄しべが3個ある。もっとも内側の雄しべの基部の両側には黄色の腺体がある。葯は4室。花柱は細く、柱頭は盤状に肥大する。果実は液果。直径8mmほどの球形で、10〜11月に黒紫色に熟す。表面は光沢がある。果床は倒鐘形で、浅くくぼみ、その上に果実をのせる。種子は球形で、へそ状の突起がある。花期は5〜6月。 冬芽は長卵形で先はとがり、淡赤褐色。(樹に咲く花) 学名は、Cinnamomum camphora クスノキ科クスノキ属 ダニ室:クスノキの葉は中心の葉脈と下の方で分かれた2本の側脈が良く発達する。この分岐点には小さな膨らみがあり、ダニの一種が住み込んでいることが多い。 |
▼2004年5月25日 城山公園 | ダニ室 | |
▼2009年11月14日 果実は球形 玉湯 | ||
▼脈の基部にダニ室がある。 | ||
▼2003年8月10日 若い果実 浜乃木 | ▼ダニ室が見える。 | |
▼2013年11月16日 ダニ室 西川津 | ▼葉身は長さ約8cm。 | |
▼支脈の基部に膨らみ(ダニ室)がある。 | ||
▼膨らみの裏面には穴が空いている。 | ▼中にダニは見えなかった。 | |
▼2007年2月4日 冬芽 城山公園 | ||
▼樹皮は短冊状に縦に裂ける。 | ||
▼2007年11月17日 冬芽 幼木 上乃木 | ▼葉柄は赤みを帯びる。 | ▼幼木の葉は3行脈が不明瞭。 |
▼ダニ室のある葉は少ない。 | ▼成木に比し葉が細長く先がとがる。 | |
▼2004年1月12日 城山公園 | ▼2003年8月15日 城山公園 | |