樹木の虫えい(虫こぶ) |
虫えい(虫こぶ)とは虫などによる刺激によって、植物の一部が縮小したり肥大したりして、異常な形状になったものをいうようです。虫えいは主に新芽や新葉、蕾、花など、その年の新しくできたところへ虫などが産卵して作られるようです。 虫えいの名前は、植物の名前+虫えいのできた場所+虫えいの形+"フシ"(虫えいを表す。)という形でつけられます。 例:アオキミフクレフシ=アオキ+ミ(実)+フクレ(膨れ)+フシ 参考サイト 北海道の虫えい(虫こぶ) 寄主植物別虫えい名(PDF) |
アオナラガシワ アオキ アカガシ イヌシデ エゴノキ エノキ カゴノキ カジノキ カシワ ガマズミ カラミザクラ キヅタ クコ クサイチゴ クサギ クヌギ クマイチゴ グミ クリ ケヤキ コツクバネウツギ コナラ コハウチワカエデ シラカシ ソヨゴ タニウツギ タブノキ チシャノキ ツツジ テイカカズラ ナラガシワ ヌルデ ノイバラ ノグルミ ノブドウ ハイイヌツゲ フジ マタタビ ミヤマガマズミ モチノキ ヤブニッケイ ヤブムラサキ ヤマザクラ ヨシノヤナギ リョウブ |
アオキ(ナンゴクアオキ) | アオキミフクレフシ アオキミタマバエによって実が不規則に膨れ変形する。正常の実よりやや小さい。表面は平滑で緑色、部分的に赤みを帯びることもある。内部には1〜18匹の幼虫が入る。 |
2014年3月3日 | ||
アカガシ | アカガシハイボケフシ フシダニの一種によって葉の表面へ半球形に膨らみ、直径2〜3mm、高さ1〜1.5mmで表面は平滑、緑色ないし黄緑色。葉の裏側は凹んで白色〜淡褐色の毛を密生する。 |
2006年2月19日 | 2007年12月23日 | |
イヌシデ | イヌシデメフクレフシ ソロメフクレダニというダニの一種によって芽が変形するえいで、頂芽の鱗片が肥大し、1つの芽が松かさ状に大きく膨らんだもの。芽の幅は28mm、長さ25mmで褐色になる。鱗片の外側は黄白色の長毛を密生した堅い皮殻となり、内側は柔組織が縦の方向に多数ひだ状に突出し、たがいにからみ合ったもので、その間に無数のダニが見られる。 |
2008年3月15日 | 2010年2月7日 | |
エゴノキ | エゴノネコアシ エゴノネコアシアブラムシによって形成される黄色〜黄緑色の虫えいで、ネコの足に似る。十数個の独立した房室からなり、各房室は紡錘形で長さ約20mm、直径5mm程度。最初閉じているが、有翅虫の出現期には先端が小さく裂開する。 |
2004年6月26日 | ||
エゴノキ | エゴノキハウラケタマフシ タマバエの1種によって、葉裏に形成される。直径2〜7mmのほぼ球形。表面は淡緑色か紅色を帯び、白い長毛が粗生する。葉表はほとんど膨れない。内部は1個の室があり、1匹の幼虫が入る。 |
2008年5月17日 | 2007年6月30日 | |
エゴノキ | エゴノキメフクレフシ タマバエの1種により、枝の先に近い腋芽や頂芽が先端の尖った卵形に膨れ、高さ5.0から16.0mm、直径5.0から10.0mmの虫えいとなる。表面は黄緑〜緑色、光沢がある。日があたる部分は淡紅色を帯びる。虫えい壁は1.5〜2.0mmで水分に富む。内部は比較的大きな幼虫室となっており、1〜8匹の淡黄〜黄色の幼虫がいる。 |
2008年5月17日 | ||
エゴノキ | エゴノキハツボフシに似るが、エゴノキハツボフシは葉の中肋や葉柄にできるという部分で違っている。 |
2008年5月17日 | ||
エゴノキ | (虫えいではない。)オトシブミの揺籃。エゴツルクビオトシブミ等が葉を丸めて産卵する。 |
2006年6月18日 | ||
エノキ | エノキハトガリタマフシ エノキトガリタマバエによって葉(表・裏)・若枝などにつくられる擬宝珠状〜砲弾状の虫えい。直径4.5mm、高さ8mm内外。内部の虫室は広く、1幼虫がみられる。 |
2020年5月5日 | ||
エノキ | エノキハコブフシ エノキコブタマバエによって葉裏の葉脈に沿って形成される半球形〜楕円体の虫えいで、長径3〜6mm、短径2〜4mm。表面はやや平滑で白〜淡緑白色になる。葉表の部分はほとんど膨れず、葉脈に沿って細いすき間がある。内部は中空の大きな幼虫室となっており、白色の幼虫が1匹ずつ入っている。 |
2006年7月15日 | ||
エノキ | エノキハイボフシ フジダニの一種によって葉に形成される袋状の虫えいで、葉表に不規則な形に突出する。直径は1.5〜2mm、長さは4〜5mmで、曲がりあるいは捻れて先端は鈍頭で終わる。表面は黄緑色になり平滑、まれに褐色毛を散生することがある。葉裏の部分は凹んで孔となり、周囲に褐色長毛を密生する。えいの壁は薄く、その内面にも褐色長毛を密生して、ダニの生育場所を作っている。 |
2006年8月26日 | 2006年8月26日 葉裏 | |
カゴノキ | カゴノキハイボフシ? フシダニの一種により形成される。 |
2007年10月28日 | ||
カジノキ | クワハミャクコブフシ? クワハコブタマバエによって葉の主脈あるいは側脈に沿って、葉裏側にふくれた虫えい。表面は白色の軟毛で包まれる。 |
2008年8月30日 | ||
カシワ | ナラハグキコブフシ ナラハグキコブタマバチによって、葉柄部に形成される虫えいで、コブ状に肥大し軟毛が密生する。 |
2006年7月15日 | 2006年7月15日 | |
ガマズミ | ガマズミミケフシ ガマズミミケフシタマバエの寄生によりできる。正常果の3〜4倍に肥大し、白〜黄白色の短毛におおわれる。 |
2007年10月28日 | ||
カラミザクラ | ミザクラハベリフクロフシ ミザクラコブアブラムシの寄生によりできる。葉の縁にでき、葉裏側に折れ、屈曲部は少し肥厚する。表面はざらつく。黄緑〜淡紅色。 |
2008年6月15日 | 2008年6月15日 | |
キヅタ | キヅタツボミフクレフシ キヅタツボミタマバエによって、蕾が直径6mm、長さ15mm前後の卵形に肥大した虫えい。 |
2006年2月19日 | 2006年2月19日 | |
クコ | クコハフクレフシ クコフシダニにより葉の両側にいぼ状のえいができる。 |
葉表 2004年10月30日 | 葉裏 | |
クサイチゴ | クサイチゴハクボミケフシ ?。(フシダニの一種によるもの。) |
葉表 2006年8月5日 | 葉表 2006年8月5日 | |
クサギ | クサギハコブフシ 葉の裏にこぶ状のえいができる。(フシダニの一種によるもの。) |
葉裏 2009年9月21日 | 葉裏 2009年9月21日 | |
クヌギ | クヌギハナカイメンフシ クヌギハケタマバチが雄花序に寄生し綿球状に肥大する。 |
2006年4月23日 | ||
クヌギ | クヌギエダイガフシ クヌギエダイガタマバチが寄生することによりできる。 |
2006年3月11日 | ||
クヌギ | ナラハスジコブフシに似ているように思えるが不明。 |
2008年6月15日 | 葉裏 | |
クヌギ | クヌギエダヒメコブフシに似ているように思えるが不明。 |
2008年6月15日 | ||
クマイチゴ | クマイチゴハクボミケフシ ?。(フシダニの一種によるもの。) |
2006年8月26日 | 2006年8月26日 | |
グミの仲間 | グミメフクレフシ タマバエの一種による。 |
2006年8月26日 | 2006年8月26日 | 2006年8月26日 切断面 |
クリ | クリメコブズイフシ クリタマバチが新芽に寄生し、準球形または紡錘型のこぶをつくる。表面には葉がでる。 |
2006年4月22日 | 2006年1月15日 | |
クリ | クリハイボフシ クリフシダニによって葉に作られ、表裏 両側へイボ状に膨らむ。 |
2008年6月8日 | 葉裏 | |
ケヤキ | ケヤキハフクロフシ ケヤキヒトスジワタムシが寄生することにより、新葉の展開とともに葉表に有柄で袋状のこぶができる。 |
2006年7月2日 | 2008年5月17日 | |
ケヤキ | ケヤキハウラコタマフシ(仮名) タマバエによるものと思われる。。葉裏に直径数mmのもの。薄葉先生によるとケヤキコタマフシ或は未記録の可能性。 |
2007年6月30日 | ||
コツクバネウツギ | ツクバネウツギメフクレフシ タマバエの1種が寄生することによる。 |
2008年9月1日 | ||
コナラ | ナラハタイコタマフシ ナラハタイコタマバチによって、コナラなどの若葉に形成される虫えいで、表裏両面にほぼ同じくらい隆起し、両方の先端がやや平らになる。 |
2006年5月21日 | ||
コナラ | ナラメリンゴフシ ナラメリンゴタマバチによって前年枝の頂部の越冬芽の1〜3個が大きく球形に膨らんでできた虫えいで、大きなものは直径が数センチになる。淡緑色ないし黄白色で、日にあたった部分は赤色をおびる。 |
2006年5月21日 | 2006年5月28日 | 2006年5月28日 |
コナラ | ナラハマダラケタマフシ に似ている?。(ナラハマダラケタマバチによって、コナラの葉柄や葉脈 に作られる卵型の虫えい。) |
2006年5月28日 | ||
コナラ | ナラハグキコブフシ に似ている?。(ナラハグキコブタマバチによって、葉柄部に形成される虫えいで、コブ状に肥大し軟毛が密生する。) |
2007年5月20日 | 2007年5月20日 裏面 | 2007年5月20日 |
コナラ | (虫えいではない。)揺籃。 |
2007年5月20日 | ||
コハウチワカエデ | 不明 |
2009年4月19日 | 葉裏 | |
シラカシ | カシハイボフシ フシダニの一種によってシラカシの葉の表面に隆起したえいが形成される。 |
2006年1月29日 | ||
ソヨゴ | ソヨゴメタマフシ ソヨゴタマバエが寄生することによってできる。 |
2006年4月22日 | 2005年12月30日 | |
タニウツギ | ウツギメタマフシ ノブドウミタマバエが側芽に寄生することによってできる。ほぼ球形。数枚の短縮変形した葉がつく。 |
2007年5月20日 | 2007年5月20日 | |
タブノキ | タブノキハウラウスフシ タブウスフシタマバエが寄生することによってできる。 |
2006年6月18日 | 2006年6月18日 | |
チシャノキ | チシャノキツボミフクレフシ タマバエの一種が寄生することによってできる。 |
2014年8月2日 | 2014年8月2日 | 2014年8月2日 |
テイカカズラ | テイカカズラミサキフクレフ テイカカズラミタマバエが寄生することによってできる。対になるべき二つの実が一つになる。 |
2009年11月23日 | 2009年11月23日 | |
アオナラガシワ | 不明 |
2006年5月21日 | ||
ナラガシワ | ナラハマダラケタマフシ に似ている?。(ナラハマダラケタマバチによって、葉柄や葉脈にできる卵形の虫えい。) |
2006年5月28日 | ||
ナラガシワ | ナラメイガフシ ナラメイガタマバチの幼虫が冬芽に寄生することによってできる。表面には 多数の針状片が着生し、イガ状になる。 |
2003年9月15日 | 2007年2月12日 | |
ヌルデ | ヌルデハイボケフシ ヌルデフシダニが葉に寄生することによる。表面はいぼのようにふくらみ、裏面はへこんで白い毛が密生する。。 |
2006年8月14日 | 2006年8月14日 | 2006年8月26日 |
2006年8月26日 葉裏 |
ヌルデ | ヌルデミミフシ ヌルデシロアブラムシが葉柄に寄生し袋状のえいを作る。秋になると脱出口が開き有翅虫が飛び出す。 |
2006年10月28日 | 有翅虫が無数にいる。 | 切断面 |
ノイバラ | バラハタマフシ バラハタマバチが葉に寄生することによる。表面に突起がある。 |
2006年6月18日 | 2006年6月18日 | |
ノブドウ | ノブドウミフクレフシ ノブドウミタマバエによって実に形成される球形の虫えいで、直径8.4〜16.9mm。表面は滑らかで、黄白色ないし紅赤色。 |
2014年10月23日 | 2014年10月23日 | 2014年10月23日 |
ハイイヌツゲ | イヌツゲメタマフシ イヌツゲタマバエが葉腋の芽に寄生することによってできる。 |
2006年1月11日 | 2007年10月28日 | |
フジ(ノダフジ) | フジハフクレフシ タマバエの1種により葉の表裏にふくれる球形〜レンズ型の虫えい。 |
2008年5月17日 | ||
マタタビ | マタタビミフクレフシ マタタビアブラムシやマタタビミタマバエが花に寄生することによってできる。 |
2005年6月25日 | 2006年9月2日 | 2006年9月2日 |
ミヤマガマズミ | ミヤマガマズミツボミトジフクレフシ タマバエの1種により蕾が開花せず、花弁の部分が白〜汚褐色でやや膨れる。 |
2007年5月3日 | 縦に切断した。 | 2008年5月17日 |
モチノキ | モチノキメタマフシ イヌツゲタマバエが新芽に寄生することによってできる。 |
2006年2月19日 | ||
ヤブニッケイ | ニッケイハミャクイボフシ ニッケイトガリキジラミによって葉の表面に隆起したえいが形成される。 |
2006年2月19日 | 2006年5月14日 | |
ヤブムラサキ | ヤブムラサキハグキコブフシ と思われる。ムラサキシキブハグキタマバエによって、枝の先端や葉柄、中肋が膨れ、葉身が捻れたりする。黄緑〜緑色で、表面には微毛が密生する。 |
2006年9月2日 | ||
ヤマザクラ | サクラハチヂミフシ サクラコブアブラムシの寄生により、葉は裏面を内側にして巻縮する。虫こぶは紅〜淡紫紅色になり、葉肉は肥厚する。 |
2006年5月28日 | ||
ヨシノヤナギ | ヤナギエダマルズイフシ ヤナギマルタバエにより枝に作られ、卵形〜紡錘形、直径10mm、長さ15mm内外。 |
2009年12月27日 | ||
リョウブ | リョウブハタマフシ タマバエの一種により葉の表裏にほぼ球形のえいができる。幼虫は葉裏側から脱出する。 |
2006年8月28日 | 2006年8月28日 葉裏 | |
ツツジの仲間 | もち病菌により、新葉または新芽の一部が著しく肥大してこぶ状の菌えいが形成される。上面はくぼみ、袋状となる。葉縁に形成されると耳形となる。 |
2006年6月3日 | ||
ノグルミ | 虫えいかどうか不明。単なる成長不良なのか? |
2006年6月3日 | ||