2023-10-12 往生院跡、坊床寺跡、大日堂、毘沙門堂を探す

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2023年10月12日(木) 往生院跡、坊床寺跡、洞泉寺、大日堂、毘沙門堂を探す

 「ふるさと持田の彩」を片手に、福原町の往生院跡、坂本町の坊床寺跡、西持田町の大日如来堂、毘沙門堂、川原町の塚、観音堂を探しました。

福原町
往生院跡
坂本町
坊床寺跡
西持田町
洞泉寺

西持田町
大日如来堂
西持田町
毘沙門堂
川原町

川原町
観音堂(集会所)



往生院跡を探す。

 往生院跡は、先日島根県遺跡データベースから座標(35.52085,133.10018)を取得し、現地を探しましたが、数段の平坦な場所があるのみで、遺物は見つけられませんでした。そこで、県立図書館で、「松江考古」第8号を見ると、詳しい現地の図面がありました。遺物のある場所は、県の座標と登山道を挟んだ尾根の上にあるようなので、再度現地に赴きました。

 虫野神社の前を左へ曲がり西の谷へ入ると、道が分岐しますが右へ曲がり少し上がると、左の山へと向かって踏み跡があります。この道は澄水山への登山道ですが、今は上部のほうが通行できない状態状態のようです。山の斜面には、深くえぐられたU字形の道が上がり、ところどころ倒木があります。データベースの座標近くまで登ると、左の斜面には小さく刻まれた平坦な面が数段にあります。右の尾根に向かっては急斜面のため登ることはできないので、しばらくあがったところの平坦な場所から、右の尾根へ上がり、下がって行くと先端の方に、四角く囲った石組みや五輪塔などの破片などがありました。

 「往生院遺跡 虫野神社の北奥に流下する福原川の西側丘陵上に所在します。・・・南端部尾根上には一辺約2mの方形を成す石積基壇が十基以上あり、五輪塔や宝篋印塔も見られます。」(里の息吹)  

福原町
虫野神社前を左へ

西隣りの谷へ向かう。

分岐を右へ


左へ踏み跡がある。

U字形の道が上がる。

左斜面の緩やかな平坦面


大きな岩を過ぎると平坦な場所に上がる。

平場から右の尾根に上がる。

尾根を下がったところの四角形の石積み


五輪塔の破片



坊床寺跡を探す

 坊床寺跡は坂本町にあり、先日(9月18日)案内いただきましたが、石垣の写真が「持田の彩」と違うようなので、再度確認に訪れました。先日見た石垣跡から奥へ平坦面が続き、左手の方から約20mに渡って小さな石を積んだ高さ2m位の石垣が続いていました。この石垣が寺跡の石垣かどうかはわかりませんが、資料の写真とは似ているように思われます。

 「場所は地区の東寄りの人家外れで、澄水山南面諸支稜の一つの分稜の端末台地にある。・・・この寺は古老伝では、尼子時代に兵火を被って消失したとも伝えられる。」(ふるさと持田の彩)
 「坊床廃寺 出雲国分寺跡出土の瓦の系統をひく軒平瓦が発見されており、平安時代前期頃の寺跡です。」(里の息吹)  

坂本町
石垣が長く積まれている。

高いところは高さ2m程度ある。


約20mに渡って石垣がある。



洞泉寺を訪ねる。

 洞泉寺は、西持田町の松江島根線の近くにあり、本尊は延命地蔵菩薩で、慶安2年(1649)の開山とされます。境内には、島根札22番の札所で、本尊は聖観音菩薩で、丸山地蔵菩薩が共に安置されています。  

西持田町
洞泉寺山門から本堂を望む

疣地蔵(左)、延命地蔵(右)

日吉堂


日吉堂の丸山地蔵菩薩(左)、聖観音菩薩(中央)



大日堂を探す。

 大日堂は、西持田町の和田上の松江島根線と農道の角の山にあるようです。農道から松江島根線を20mほど南下すると左の山へ向かって道が上っています。墓地の脇を通って上に登ると、小さなお堂があります。

 「本尊の大日如来像は丈0.30メートル、0.21メートルである。」(ふるさと持田の彩)  

西持田町
道路脇から斜面を上る。

墓地の脇を上がる。

大日堂


大日如来像



毘沙門堂を探す。

 毘沙門堂は、西持田町の和田下の民家脇に路地があり、その先の斜面の上にお堂が見えます。

 「本尊は四天王の一つである毘沙門天で、石彫りの立像である。昔は木彫りの像であったが、・・・盗難に遭い、その後、現在の石彫りの本尊像になったとの言い伝えがある。この堂の由緒は古く、現存する棟札に維持と刻し、文政年間初期(約170年前)のものがある。」(ふるさと持田の彩)  

西持田町
民家の間の路地を入る。


石段の上にお堂がある。


毘沙門堂


毘沙門天像


塚、阿弥陀堂を訪ねる。

 塚・阿弥陀堂は、川原町にあります。塚は畑や水田にあった小石を長年に渡って拾い上げ積み上げられたものだそうです。阿弥陀堂は現在はなく、本尊の阿弥陀像が集会所の中に安置されているそうです。

 「田圃の中の原野(塚) 川原町には水田が264.794平方メートルあり、この水田の中に原野という地目(土地の種別)が83筆点在している。・・・形は小さい山では高さ50数センチぐらいから3メートルくらいまでいろいろである。地元では通称これを『塚』といっており、」
 「阿弥陀堂 正徳山、宗源寺、川原町今度127番地。本尊、阿弥陀如来で等身大余の座像が安置され、他に不動尊等5体が祭られている。阿弥陀堂は、地区の上部にあるが、元は現在地から約250メートル北方の寺山にあった。明治初年頃、現在地に移され、・・・現在は堂を更に増築して地区の集会所として利用されている。」(ふるさと持田の彩)  

川原町
畑の中の塚

集会所(阿弥陀堂)



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