イズモアザミ(出雲薊)

多年草
中国地方(広島県・鳥取県・島根県・山口県東部)に分布する。低山〜山地の夏緑林の林縁や林間の草地に生え高さ70〜250cm。雌性両全性同株。茎はやや直立〜斜上し、中部以上でよく分枝して枝が広角度に伸びる。根出葉と下部の茎葉は花時には生存しない。中部の茎葉の葉身は質がやわらかくあるいはかたく、長さ20〜50cm、幅10〜30cm、披針形または楕円形〜卵形、低平な鋸歯があってほとんど全縁〜鋸歯縁または羽状に浅裂〜深裂し、裂片は5〜6対、上面に褐色の多細胞毛があり、下面に多少ともくも毛があり、とげは長さ1〜5mm、短い葉柄があるか無柄で基部は抱茎する。頭花は数個が総状にまばらにつき、点頭して下向きに咲き、頭花の柄は長さ2〜5mm。総苞は筒形〜狭筒形(雌性頭花)、長さ18〜20mm、径6〜12mm、紫褐色をおびた緑色、多少ともくも毛がある。総苞片は11〜12列、草質、圧着して先端はごく短く開出〜反曲し、総苞外片は卵形、長さ2mm、内片の1/10長。腺体は最外片を除くすべての総苞片にあり、披針形〜楕円形、総苞はよく粘る。花冠は長さ15〜20mm、両性小花は淡紅紫色、雌性小花は紅紫色、狭筒部は広筒部より長い。そう果は長さ3.5〜4mm、灰褐色。冠毛は長さ15〜17mm。別名トゲナシアザミ。 花期は9月〜11月
 和名はとげが少ないためにトゲナシアザミと名付けられた。しかし、このアザミは逆にいちじるしいとげをもつことが特徴なので、この和名は実態を反映していない。そこで出雲国に多いため、イズモアザミという新和名を提唱する。(日本の野生植物)
学名は、Cirsium indefensum
キク科アザミ属



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松江の花図鑑

島根県松江市の野草や樹木、シダを載せています。