多年草 北海道〜九州のシイ・カシ帯からブナ帯下部の明るい湿った樹林内や林縁に生える。やや叢生し、匐枝を出す。基部の鞘は淡色。葉は幅5〜10mm。細乳頭状突起を密布して粉白色、特に下面が著しい。有花茎は高さ50〜70cm。小穂はほとんど柄がなく、苞の葉身は発達し、無鞘。頂小穂は雄性、長さ3〜6cm。側小穂3〜5個は雌性、長さ3〜6cm、斜上または先が垂れる。鱗片は緑白色、鋭頭で芒端、果胞とほぼ同長。果胞は長さ約4mm、無毛、嘴は長い。花柱は宿存し、柱頭は3岐。果期は5〜6月。 葉が幅広く強く粉白を帯び、雌小穂が垂れ下がる型と、葉がやや幅狭く粉白が弱く、雌小穂があまり垂れ下がらない型があるが、明確に区別ができない。(日本のスゲ) 学名は、Carex alopecuroides var. chlorostachya カヤツリグサ科スゲ属ヒメシラスゲ節 よく似たものにアイノコシラスゲがある。 [アイノコシラスゲ] 側小穂は2〜4個で雌性、互いに離れてつき、円柱状で長さ1〜4cm、幅5〜6mm。果胞は長さ3〜3.5mm、先は急に短い嘴になる。 (日本のスゲ 検索表) A 葉は少なくとも下面は細かい乳頭状突起があり粉白を帯びる B 雄小穂は柄がなく直下の雌小穂に接する C 茎や葉はあまりざらつかない D 果胞は先がしだいに狭くなって長嘴 ・・・・シラスゲ D 果胞は先が急に短い嘴になる ・・・・・・・アイノコシラスゲ |
▼2014年8月23日 新庄 | ▼花柱がやや宿存する。 | ▼雌小穂は長さ約4.5cm。 |
▼苞はよく発達する。 | ▼苞は無鞘。 | ▼雌鱗片は果胞より短い。 |
▼果胞は長さ3mm。 | ▼柱頭は3岐する。 | ▼口部は2歯がある。 |
▼果実は長さ約1.7mm。 | ▼果実は3稜がある。 | ▼葉の裏面が白く見える。 |
▼葉の幅は約1cm。裏面(上)。 | ▼葉の裏面には乳頭状突起が密生する。 | ▼葉の横断面。 |
▼2014年6月24日 東長江 | ▼雌小穂がはっきり垂れ下がるものが少ない。 | |
▼雌小穂は長さ約3.5cm。 | ||
▼柱頭は3岐し、果胞は長さ約3.5mm。 | ▼雌鱗片は果胞よりやや短い。 | ▼口部は2歯がある。 |
▼果実は長さ約1.7mm。 | ▼苞は無鞘。 | |
▼葉の表面(上)と裏面(下)。 | ▼葉の断面、幅は約12mm。 | ▼葉の裏面が白く見える。 |
▼葉の裏面に乳頭状突起が密生する。 | ▼乳頭状突起。 | ▼苞の葉身はよく発達している。 |
▼花茎は高さ約50cm。 | ||
▼2014年5月8日 東長江 | ▼雄小穂は長さ5cm。 | |
▼雌小穂は緑色、長さ4cm柄は長さ約5mm。 | ▼鱗片は果胞よりやや短い。 | ▼柱頭は3岐、果胞は長さ約4mm。 |
▼口部は2歯がある。 | ||
▼未熟な果実。 | ▼苞は無鞘。 | 葉は幅約10mm。 |
▼葉の裏面。 | ▼花茎は長さ約45cm、苞はよく発達する。 | |
▼2012年6月26日 東長江 | ▼雌小穂は斜上や下垂するものがある。 | ▼雌小穂は長さ約5cm。 |
▼鱗片は果胞より短い。 | ▼雌鱗片は長く尖る。 | ▼果胞は長さ約4mm。 |
▼柱頭が3岐する。(乾燥した標本) | ▼果実は3稜があり長さ約1.5mm。 | ▼果胞は長さ約3.5mm。 |
▼雌鱗片は長く尖る。 | ▼果胞の口部は2歯がある。 | ▼果胞の中の果実。 |
▼果実は長さ約1.6mm。 | ▼小穂まで高さ約47cm。 | ▼苞は長い葉状。 |
▼葉の幅は約5mm、裏面。(乾燥標本) | ▼葉の裏面。(乾燥標本) | |
▼苞は無鞘。 | ||
雌小穂が斜上しているので、シラスゲの雌小穂があまり垂れ下がらない型なのかもしれない。 | ||
▼2015年6月7日 西長江 | ▼雌小穂は斜上する。 | |
▼苞の葉身は発達する。 | ▼苞の鞘はない。 | |
▼雄小穂は細く、長さ約4.5cm。 | ▼雄鱗片は線形で長さ約5mm。 | ▼雌小穂は長さ約2.5、ほとんど無柄。 |
▼柱頭は3岐する。 | ▼果胞と雌鱗片はほぼ同長。 | |
▼果胞は長さ約3.5mm、雌鱗片は芒が長い。 | ▼雌鱗片の芒。 | ▼果胞の口部は2歯がある。 |
▼▼果実は果胞にゆるく包まれる。 | ▼果実は長さ約2mm。 | |
▼果実は3稜形。 | ▼葉の裏面が白くない。 | ▼葉はゆるいM字形、幅は約10mm。 |
▼葉の裏面。 | ▼裏面に乳頭状突起があるが少ない。 | |
▼基部の鞘は葉身がない。 | ▼花序の先まで長さ約35cm。 | |