一稔性多年草 近畿、中国地方。シシウドに似るが、シシウドは葉の裏面脈上に短毛がやや密に生えるのに対し、全く無毛なので容易に区別できる。葉が無毛である以外に大きな特徴は、果実の背面の溝に沿う果肉内に1本づつの太い油管が走ることである。しばしば細い油管がもう1本加わることもあるが、太い油管が1本走るのが基本である。シシウドではここに細い油管が2〜3本走っている。(植物研究誌 第64巻 第3号 日本におけるヨロイグサ、エゾノヨロイグサ、シシウドについて) 学名は、Angelica sachalinensis var. sachalinensis f. saninensis 確認すべき点、 ・葉の裏面に毛がない ・果実背面の溝に油管が1(-2)本ずつ ・葉の裏は白味を帯びない(単に淡緑色) [シシウドAngelica pubescens] 本州〜九州の山地の日当たりのよい草地などに生える。茎は太く、有毛で、高さ1〜2m、上部で分枝する。葉は大型の2〜3回3出羽状複葉で、小葉は長楕円形で長さ5〜10cm、鋸歯がある。頂小葉の基部は翼状に流れる。葉裏面は脈上に開出した白毛が密生する。葉柄の基部は鞘状でふくらむ。枝先の大型の複散形花序に、白色の小さな花を密につける。花弁は内曲する。小総苞片はない。果実は広楕円形で長さ6〜10mm、両側は広く薄い翼となる。花期は8〜11月。(山に咲く花) 参考:シシウドの葉の裏面の毛の様子。 セリ科シシウド属 |
松江市内で見かけた大型のセリ科の植物はシシウドとしていたが、2016年に葉の裏面を確認すると全てが葉の裏面が無毛だった。葉の裏面が無毛のものはサンインヨロイグサとされるので、市内ではシシウドが未確認となった。 |
▼2015年10月29日 八雲 | ▼雄しべが伸びている雄性期の花。 | ▼小花序は直径1.5cm。 |
▼花は直径約4mm。 | ▼雄しべが落ちた雌性期の花。 | |
▼花弁と雄しべが落ち柱頭が伸びている。 | ▼子房と花盤を合わせて長さ約3mm。 | ▼若い果実。 |
▼若い果実は長さ約7mm。 | ▼花序は大きな複散形花序。 | |
▼小総苞片はない。 | ||
▼2011年10月8日 小花序に小総苞片はない。 八雲 花弁は内側に曲がる。 | ||
▼花序に総苞片はない。花柄に毛がある。 | ||
▼葉は大きな3回3出羽状複葉 | ▼葉の一部 | |
▼2017年9月25日 八雲1 | ▼葉の裏面は淡緑色で無毛。 | |
▼2017年9月25日 八雲2 | ▼葉の裏面は淡緑色で無毛。 | |
▼2017年9月25日 八雲3 | ▼葉の裏面は淡緑色で無毛。 | |
▼2016年9月10日 大東1 | ▼葉の裏面は淡緑色で無毛。 | |
▼2016年9月10日 大東2 | ||
▼裏面は無毛。 | ||
▼2016年9月10日 大東3 | ||
▼裏面は無毛。 | ||
▼2016年9月10日 大東4 | ||
▼裏面は無毛。 | ||
▼2016年9月10日 八雲1 | ||
▼裏面は無毛。 | ||
▼2016年9月10日 八雲2 | ||
▼葉の裏面は淡緑色で無毛。 | ||
▼2016年9月24日 八雲1 | ||
▼2016年9月24日 八雲2 | ||
▼2016年9月24日 八雲3 | ||
▼2016年9月24日 八雲4 | ||
▼2017年10月25日 果実 八雲 | ▼果実は長さ約1.5cm。 | |
▼隆起線の間に太い油管は1個ある。 | ||
▼2016年12月3日 果実 八雲 | ▼果実は長さ約1cm。 | |
▼果実は2個の分果が合わさっている。 | ▼隆起線が3本ある。 | ▼隆起線の間に1個の油管がある。 |
▼2016年11月17日 果実 大東 | ||
▼果実は長さ約1cm、2個の分果が合生する。 | ▼分果の合生面(上)、背面(下)。 | ▼分果の縦断面、基本的に背溝下に1個の油管がある。 |
▼葉の裏面は緑色で、無毛。 | ||
▼2012年12月29日 果実 大東 | ▼果実は長さ約8mm。 | ▼果実の背面。長さ約6mm。 |
▼背面の3本の隆起線。 | ▼果実の横断面。背面に隆起線が3個ある。 | ▼横断面の拡大。 |
▼果実の合生面(腹面)。 | ||
▼2010年11月20日 若い果実 大東 | ||