常緑低〜小高木 本州〜九州の丘陵〜山地の砂地や尾根など、やせ地に生える。ふつう高さ5〜6m、大きいものは10mに達する。樹皮は灰色を帯びた赤褐色。薄くはがれる。若枝には稜がある。古くなると先端が垂れ下ることが多い。葉は長さ1.2〜2.5cmの針状で、3輪生する。先はとがり、さわると痛い。表面には深い溝状になった白い気孔帯がある。雌雄別株。雌雄とも花は前年枝の葉腋につく。雄花は長さ4〜5mmの楕円形で黄褐色。雌花には3個の鱗片がある。球果は直径8〜10mmの球形の液果状。はじめは緑色、翌年または翌々年の10月頃に熟し、黒紫色になる。表面は白いロウ質におおわれる。種子はふつう2〜3個。長さ4〜5mmの楕円形。表面に樹脂のかたまりがある。花期は4月頃。(樹に咲く花) 雌花は前年枝の葉に版生して,高さ2.5mmくらいで淡緑色を呈し小さい。基部には輪生した長さ2-3mmの針葉を5-6個つけ,次に広皮針形または広卵形,針状鋭尖頭の鱗片が12個くらいあり、さらに広卵形,鋭頭の鱗片3個と最内部の卵形,鈍頭の鱗片3個がある。最内部の鱗片が主としてのちに肥厚し,互にゆ合して胚珠を包み込むのであるが,開花時には鱗片は完全に分離した薄片である。これより外側にある3個の鱗片も肥厚して球果の下半部を構成することもある。そして通常3個の胚珠がこの鱗片と交互の位置に頂生する。胚珠は淡黄緑色の高さ0.7cmくらいでとっくり状で直生し,珠孔は上向してい るが,少し側方を向きそして受粉滴を分泌する。(日本産針葉樹の球果の成熟習性とその外部形態について,15頁) 学名は、Juniperus rigida ヒノキ科ネズミサシ属 |
▼2020年4月21日 雄花(雄株) 東忌部 | ▼花粉を出している。 | |
▼雄花は長さ約4.5mm。 | ||
▼2020年4月7日 雌花(雌株) 東忌部 | ▼雌花には3個の種鱗がある。 | |
▼雌花は直径約1.5〜2.5mm。 | ||
▼種鱗を開くと、3個の胚珠があった。 | ||
昨年の球果と雌花 | ||
▼雄花(雄株) | ▼花粉をまだ出していない。 | |
▼葉の表面には溝状の白い気孔帯がある。 | ||
▼2006年5月3日 雌花 佐草 | ▼若い球果 | |
▼熟した球果 | ▼表面には白い気孔帯が1本ある。 | |
▼2020年3月31日 雄花(雄株) 東忌部 | ||
▼雄花は長さ約4mm。 | ▼雄花は枝先の葉腋につく。 | |
▼若い果実(雌株) | ▼今年の雌花が見当たらなかった。 | |
▼2013年1月7日 果実 東出雲 | ▼直径約8mm。 | ▼縦断面 |
▼横断面。 | ▼種子は長さ約6mm。 | |
▼2013年1月7日 若い果実 東出雲 | ▼直径約9mm。 | |
▼縦断面。 | ▼横断面。 | ▼種子が3個合わさっている。 |
▼種子は長さ約6mm。 | ▼葉は3輪生する。 | |
▼葉は長さ約1.8cm。 | ▼樹皮は縦に剥がれる。 | |
▼2010年1月17日 果実 宍道 | ||
▼2011年3月27日 冬芽 大庭 | ▼葉は3輪生する。 | |
▼2005年7月10日 東忌部 | ||
▼2005年7月10日 幼木 東忌部 | ||