1年草または多年草 北海道〜沖縄の湖沼やため池、河川、水路、水田などに生育する沈水〜浮葉〜湿生植物。湧水域と冬も水のある湿田には特に多い。茎は盛んに分枝して伸び、水中で明るい緑白色のパッチをなす。葉は対生で葉柄はない。葉形は顕著な変異を示すが、少なくとも茎の下部の沈水葉は線形で長さ7〜20mm、幅0.5〜1.5mm、1脈で先端は凹形。茎の上部の葉ほど幅が広くなり、浮葉はへら形〜卵状楕円形で長さ6〜15mm、幅3〜6mm、3(〜5)脈。雌雄同株で葉腋に雄花と雌花が各1〜2個並んでつく。雄花は1個の雄しべ、雌花は1個の雌しべからなる。水面上の花は風媒、水中では水媒のほか、花粉管が組織内を雌花に向かって伸びる内性隣花受粉も知られる。果実は4分果からなり偏平、倒卵状楕円形で軍配のような形をしている。本種をミズハコベ、ナンゴクミズハコベ、マンシュウミズハコベの3変種に細分する見解がある。花期は通年。(日本の水草) 学名は、Callitriche palustris オオバコ科アワゴケ属 参考 中国植物誌 よく似たものに帰化植物のイケノミズハコベ(Callitriche stagnalis)がある。やや大型で3〜5本の葉脈があり、水面の葉と水中葉とが同形。果実は長さ幅とも約1.8mmの円形。 |
▼2013年8月26日 大井 | ▼上部葉腋に黄色い葯の雄しべが見える。 | ▼長い雄しべの雄花、基部に雌花がある。 |
▼水中で葉腋につく雌花。子房の長さ約0.5mm。 | ▼茎を除いてある。雌花の脇に雄しべがある。 | ▼長い花柱を伸ばす雌花。 |
▼若い果実。 | ▼果実の周囲に狭い翼がある。 | |
▼果実は長さ約1.1mm。 | ▼果実の側面、厚さ約0.5mm。 | ▼水中葉は線形。 |
▼線形の水中葉をつけた幼い株。 | ▼浮葉はさじ形、長さ8mm。 | |
▼水中の線形の葉は長さ約6mm、幅約1.5mm。 | ||
▼2013年8月21日 大井 | ||
▼雌花には花柱が2個ある。 | ▼雌花の脇に雄しべ1本の雄花がある。 | ▼花は2枚の苞に包まれる。 |
▼若い果実。周囲に翼がある。 | ▼果実は長さ約1.1mm。 | |
▼果実(乾燥品)、中央に溝がある。 | ▼果実の側面、2枚が重なっている。 | ▼果実を分けてみる。 |
▼果実は4個に分かれる。 | ▼果実の表面に網目模様がある。 | |
▼茎など全体に無毛。 | ||
▼葉は長さ4〜6mm。 | ||
▼2012年8月16日 大井 | ▼果実は軍配形。 | |
▼葯をつけた雄しべと雌しべの花柱が見える。 | ||
▼2012年7月18日 大井 | ▼雌しべの花柱が伸びている。 | |
▼果実は軍配形。 | ▼葉腋に果実が1個ずつつく。(乾燥標本) | ▼果実は長さ約1mm。 |
▼葉は長さ約1cm、3脈がある。 | ▼葉腋に果実が見える。 | |