ハナハギ(花萩)

落葉小低木
モンゴル南部、中国北部、朝鮮半島原産。1990年代に工事が行われた高知県土佐清水市の林道で2000年に採集された。茎は直立し枝は垂れ高さ1〜2m。葉は3出複葉で小葉は楕円形〜広楕円形。在来のツクシハギに似ていて、花や果実のない状態では区別が難しい。頂小葉は側小葉より大きく、先は鋭頭、花は花序の1節に1花だけつけ、竜骨弁の舷部は中央で著しく内曲し、舷部の先は尖る。花序軸や小花柄には蜜腺があることが特徴。類似のツクシハギは小葉は楕円形〜倒卵形で先はわずかに凹み、花序軸や小花柄に蜜腺はない。花期は秋。(日本帰化植物写真図鑑)
学名は、Campylotropis macrocarpa
マメ科ハナハギ属

 よく似たウンナンハギ(C. polyantha)との区別・・「側小葉基部の小托葉に注目すると、 C. polyantha は全ての葉で小托葉を必ず持つため、小托葉を持たないか、または痕跡的にしか持たない C. macrocarpa とは容易に識別できる。「マメ科ハナハギ属の分類学的研究 II」
 「中国植物物種信息数据庫」には次のように記載されていますが、私が日本語訳したものであり、間違っている部分も多いと思います。下線部は部位など名称が不明のため訳していません。

「潅木、高さ1〜2(〜3)m。小枝は短または長軟毛の伏毛があり、若い枝は毛が密生、綿毛、老枝は無毛。羽状複葉で3小葉、托葉は狭三角形、披針形または披針状錐形、長さ(2〜)3〜6mm。葉柄は長さ(1〜)1.5〜3.5cm、短軟毛または長軟毛がやや密生、枝上部(または中部)の葉柄は短く、時に1cm未満。小葉は楕円形または広楕円形、時に長円形、長さ(2〜)3〜7cm、幅1.5〜3.5(〜4)cm、先端は円形、鈍または微凹、小凸尖があり、基部は円形、稀にくさび形、上面はふつう無毛、脈は明瞭、下面はふつう短軟毛または長軟毛の伏毛があり密生、中肋は明瞭で隆起し、毛が密生する。総状花序は1(まれに2)個が腋生または頂生し、<花序連総花梗長4〜10cm或有時更長、総花梗長1〜4(〜5)cm、>花序軸には開出する短軟毛または微軟毛が密生し、総花柄には短軟毛が斜生または伏毛となり、まれに綿毛がある。苞片は卵状披針形、長さ1.5〜3mm、早落または花後に落ちる。小苞片は線形または披針形、長さ1〜1.5mm、早落。花柄は長さ(4〜)6〜12mm、開出する微毛または短軟毛がある。極稀に伏毛がある。萼は鐘形、長さ3〜4(〜5)mm、やや浅裂または中裂、まれにやや深裂または深裂、ふつう短軟毛が伏毛となる。萼裂片は狭三角形または三角形、しだいに尖る。下方の裂片は狭長、上方の裂片はほとんど合成または少し分離する。花冠は紫紅色またはピンクに近い、長さ10〜12(〜13)mm、稀に10mm未満。旗弁は楕円形、倒卵形または長楕円形、基部は狭まる。弁柄は長さ0.9〜1.6mm、翼弁は旗弁よりやや短いか同長、竜骨弁は直角または微鈍角に内曲する。<弁片上部通常比弁片下部(連弁柄)短1-3(3.5)mm。>さく果は長円形、ほぼ長円形または楕円形、長さ(9〜)10〜14(〜16)mm、幅(3.5〜)4.5〜5.5mm、先端はくちばし状に短く尖る。果頚は長さ1〜1.4(〜1.8)mm、稀に1mm未満、無毛、網脈があり、辺縁に繊毛がある。花期は(5〜)6〜10月」




▼2015年9月14日 宍道▼旗弁の基部に緑色の斑がある。▼花序の1節に1花だけがつく。

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花序

ハナハギ花序

ハナハギ




▼2013年9月19日 宍道▼旗弁の基部に緑色の斑がある。▼花序の1節に1花だけがつく。

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

▼花は萼を含めて長さ約1cm。▼翼弁を除いた花。竜骨弁が中央で曲がる。

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

▼若い果実。

ハナハギ花序

ハナハギ果実

ハナハギ果実

▼果実は長さ約1.2cm。▼果実の表面は無毛、縁に毛がある。▼萼は長さ約4.5mm、裂片の先は尖る。

ハナハギ果実

ハナハギ果実

ハナハギ萼

▼花序枝、花柄に毛が密生する。▼花柄の毛に腺毛が混じる。

ハナハギ花柄

ハナハギ花柄

ハナハギ花柄

▼頂小葉は長さ約6cm。▼表面は無毛。

ハナハギ花葉

ハナハギ葉

ハナハギ葉

▼裏面には伏毛が密生する。▼側小葉の基部に小托葉はない。

ハナハギ葉裏面

ハナハギ葉裏面

ハナハギ

▼若い枝には伏毛が密生する。托葉は狭三角形。

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ托葉

▼成熟した枝は無毛。

ハナハギ樹皮

ハナハギ樹皮

ハナハギ

ハナハギ

▼2013年9月10日 美保関▼旗弁の基部に緑色の斑がある。

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

▼花は長さ約1cm。▼竜骨弁は著しく内曲する。▼旗弁、翼弁、雌しべ、竜骨弁、翼弁。

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ

▼小葉は長さ約4.5cm。▼表面は無毛。

ハナハギ葉

ハナハギ葉

ハナハギ葉裏面

▼裏面には伏毛がある。▼線形の托葉がある。若い枝には毛が密生する。

ハナハギ葉裏面

ハナハギ托葉

ハナハギ枝

ハナハギ樹皮

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ

▼2012年9月6日 林道法面 美保関▼旗弁の基部に緑色の斑がある。▼花序の1節に1花だけがつく。

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

ハナハギ花

▼花序柄は長さ約3.5cm。▼竜骨弁は著しく内曲する。

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ

▼萼の上唇は浅く小さく2裂する。▼小苞片は長さ約1.5mm。▼花柄に毛が密生する。

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ

▼花柄の毛の拡大。▼花序軸に毛が密生する。▼葉は3出複葉。

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ葉

▼葉柄は約3cm、頂小葉は長さ約4.5cm。▼小葉の先は円頭でわずかに凹む。▼小葉の先端に小さな刺状の突起がある。

ハナハギ葉

ハナハギ葉

ハナハギ葉

▼小葉の表面は無毛。▼裏面には伏毛が密生する。

ハナハギ葉

ハナハギ葉裏面

ハナハギ葉裏面

▼側小葉の基部に小托葉はない。▼葉柄基部の托葉は長さ約3mm。

ハナハギ

ハナハギ托葉

ハナハギ

▼枝に稜があり、枝や葉柄に毛が密生する。▼幹にも毛がある。

ハナハギ

ハナハギ枝

ハナハギ樹皮

ハナハギ

ハナハギ

▼2012年10月2日 果実 美保関

ハナハギ果実

ハナハギ果実

ハナハギ花

▼若い果実。▼種子は1個入る。

ハナハギ果実

ハナハギ果実

ハナハギ種子

▼熟した果実。長さ約1.2cm。▼果皮は無毛、縁に毛がある。▼種子は長さ約7mm。

ハナハギ果実

ハナハギ果実

ハナハギ種子

ハナハギ

ハナハギ

ハナハギ

▼2013年4月25日 冬芽 美保関

ハナハギ冬芽

ハナハギ

ハナハギ



島根県松江市の野草や樹木、シダを載せています。
松江の花図鑑