多年草 本州西部(広島県・鳥取県)の限られた場所に産し、全体ハイルリソウに酷似するが、根出葉の基部がやや急に狭くなって柄状となり、茎は多数出て花時から倒伏し、花序がしばしば分枝する。葉は長毛だけがある。花序の最下の苞の腋から葉を束生する芽を出し、地につくと発根して新しい植物体となる。花期は5月下旬で同所的に分布するヤマルリソウよりも1月ほど遅い。花期は5月。(日本の野生植物) 広島県からムラサキ科ルリソウ属の1新種,アキノハイルリソウ Omphalodes akiensis Kadota を記載した。この植物は従来「広島県産ハイルリソウ」として知られてきた植物であり,花後,花序基部の苞葉の腋に幼苗をつけ,葉は両面共に一種類の長い伏毛で被われる点で,愛知県特産として知られるハイルリソウ O. prolifera Ohwi に似ている。しかし,アキノハイルリソウはハイルリソウと,次のような点で異なっている:①根生葉はやや質が厚く,しばしば鈍い光沢があり,葉身の基部がやや急に細くなり,明瞭な葉柄をもち,②花茎は春先の芽出しの頃から地面を這い,しばしば長さ50cm にも達し,③花序は二叉分岐し,④萼筒がより短くかつ浅く分裂し,萼裂片は狭卵状楕円形,鈍頭である。 アキノハイルリソウは広島県に分布し,隣接する鳥取県西南部でも得られている.本種は広い谷地形に見られ,低標高地の林縁に生育する。同属のヤマルリソウO. japonica (Thunb.) Maxim.と同所的に生育することが多いが,アキノハイルリソウの花期は約一ヶ月ほど遅い。(2009植物研究雑誌84巻6号 門田裕一氏「広島県産ルリソウ属(ムラサキ科)の1新種,アキノハイルリソウ」) 学名は、Nihon akiensis ムラサキ科ルリソウ属 |
▼2021年4月7日 八雲 | ||
▼2020年3月31日 八雲 | 花は直径約1cm。 | ▼花の中央に白い副花冠がある。 | |
▼副花冠はV字形の突起が5個ある。 | |||
▼茎は倒伏し地を這う。 | ▼茎は白毛が密生し、茎葉はやや茎を抱く。 | ||
▼5本の茎を出している。 | |||
▼2020年5月5日 八雲 | ▼花序が伸びてきた。 | ||
▼果実は下を向く。 | 若い果実 | ▼果実は4分果、分果の縁が盛り上がっている。 | |
▼葉腋に芽が出ている。 | |||
▼茎が40cm以上に伸びている。 | ▼根生葉は基部が急に狭まり柄となる。 | ||
▼2020年4月21日 八雲 | ▼花序は伸びていない。 | ||
▼茎が長く伸びてきた。 | |||
▼2020年4月7日 八雲 | |||
▼葉の表面、細毛はない。 | ▼圧着する微毛がある。画像幅約0.5mm。 | ||
▼2020年5月28日 果実 八雲 | ▼果実は下を向く。 | ▼萼の中に4分果がある。 | |
▼萼は直径約1.5cm。 | ▼(乾燥した果実) | ||
▼分果は直径約2mm。 | ▼分果の側面、縁が盛り上がる。 | ||
▼分果の底面。 | ▼子株はまだ根を出していない。 | ||
▼2020年6月22日 子株 八雲 | ▼子株から発根している。 | ||
▼子株から発根し、根付いている。 | ▼茎を長く伸ばしている。 | ||
▼2019年7月29日 八雲 | |||
▼2019年6月25日 八雲 | |||