落葉小高木 北海道〜沖縄の平地から低山地の林縁にふつうに生え、2次林では林冠部に達する個体もまれに見られる。高さ5〜10m、直径10cmほどになる。樹皮は褐灰色。枝ははじめは黄褐色の毛が密生する。楕円形の皮目が多い。葉は互生。長さ30〜60cmの奇数羽状複葉で、葉軸に翼があるのが特徴。小葉は3〜6対、長さ5〜12cm、幅3〜6cmの長楕円形または卵状長楕円形で、先は鋭く尖り、基部はくさび形または円形。縁には粗い鈍鋸歯がある。表面は主脈以外は無毛、裏面は軟毛が密生し黄白色。雌雄別株。白色の小さな花を円錐状に多数つける。花序は長さ15〜30cm、花序の軸には淡褐色の毛が密生する。花弁は5個。長さ約2mmの楕円形。雄花の花弁はそり返り、5本の雄しべは花からつき出る。雌花の花弁はそり返らない。果実は核果。直径約4mmの扁球形で、10〜11月に黄赤色に熟し、白い物質(リンゴ酸カルシウム)を分泌する。外果皮には茶褐色の細毛が密生する。核は黄褐色で扁球形。花期は8〜9月。 冬芽は、半球形で、黄褐色の軟毛が密生した芽鱗に包まれる。頂芽はできず、枝先に長さ約5mmの仮頂芽がつく。最上位の側芽もほぼ同じ大きさ。葉痕はU字〜V字形で隆起し、冬芽をとり囲む。維管束痕は多数。(樹に咲く花) 学名は、Rhus javanica var. chinensis ウルシ科ヌルデ属 |
▼2011年9月7日 雄花 東生馬 | ▼花弁はそり返り、雄しべがつき出る。 | |
▼葉の軸には翼がある。 | ||
▼2006年9月2日 雌花 八雲 | ▼雌花の花弁はそり返らない。 | |
▼2005年9月3日 西忌部 | ▼大きな円錐花序が枝先につく。 | |
▼2006年7月9日 葉軸には翼がある。 東忌部 裏面は軟毛が密生し、黄白色。 | ||
▼2012年3月14日 果実 玉湯 | ||
▼果実の外果皮には短毛が密生する。 | ||
▼外果皮を取り除くと核がある。 | ||
▼2012年3月14日 果実 東忌部 | ||
▼U字形の葉痕が冬芽をとり囲む。 | ||
▼2012年11月22日 果実 西生馬 | ▼リンゴ酸カルシウムが落ちた果実。 | |
▼外果皮には細毛が密生する。長さ約4mm。 | ▼まだリンゴ酸カルシウムがついている果実。 | |
▼外果皮を除くと核がある。長さ約3mm。 | ||
▼2012年10月13日 果実 宍道 | ▼リンゴ酸カルシウムを分泌した果実。 | |
▼2012年9月24日 若い果実 八雲 | ||
▼果実は直径約3.5mm。 | ▼果実には短毛が密生する。 | |
▼葉は大きな奇数羽状複葉。 | ▼葉軸に翼がある。 | ▼葉軸の翼。 |
▼2014年4月26日 若葉 大東 | ▼葉軸に翼がある。小葉は少しずれてつく。 | |
▼毛が残っている。 | ||
▼裏面や葉軸に毛が密生する。 | ▼葉柄や枝に毛が密生する。 | |
▼葉痕が冬芽をV字形に囲む | ||
▼2011年5月14日 若葉 宍道 | ||
▼葉軸に小さな翼がある。 | ▼葉裏に毛が多い。 | |
▼2011年4月24日 芽吹き 玉湯 | ||
▼2010年1月30日 冬芽 玉湯 | ||
▼2006年3月5日 冬芽 八雲 | ▼果実は枝の先端につき、垂れ下がる。 | |
▼果実 | ||
▼2015年9月19日 虫えい(ヌルデミミフシ) 大草 | ▼虫えいは長さ約5cm。 | |
▼中は空洞で、幼虫がたくさんいいる。 | ||
▼2012年9月20日 虫えい(ヌルデミミフシ) 東出雲 | ||
▼長さ約4cm。 | ▼幅約3.5cm。 | ▼切断面、中は空洞で多数のアブラムシがいる。 |
▼ヌルデシロアブラムシの無翅虫 | ||
▼2006年10月28日 虫えい(ヌルデミミフシ) 東忌部 | ▼ヌルデシロアブラムシの有翅虫 | |
▼内部の様子 | ||
▼2006年8月14日 虫えい(ヌルデハイボケフシ) 佐草 | ||
▼2006年8月26日 虫えい(ヌルデハイボケフシ) 乃木福富 | ||