多年草 北海道南西部〜九州の湖沼やため池、河川、水路などに生育する抽水植物。湧水河川に特に多く、しばしば流れになびく沈水形〜浮葉形となる。全高70〜130cm、横たわると全長150cmを超えることもある。葉は幅(5〜)8〜14mm、抽水葉では背稜が顕著で断面は三角状だが、浮葉や沈水葉では背稜が目立たなくなる。この状態がしばしばセキショウモと誤認されるが、葉脈のパターンと葉縁に鋸歯がないことで区別できる。花序は分枝しない。 雌性頭花は3〜7個で、少なくとも下側の1〜3個は長さ7〜50mmの柄があり、主軸とは合着しない(腋性)。上側の頭花は着性になるが、中間の頭花はときに腋上性を示す。果時には直径1.5〜2cmになり、上部の頭花は接近する。雄性頭花は4〜9個で、雌性頭花からは離れてつく。果実は紡錘形で長さ4〜6mm、幅約2mm、全体に流線形で他種の果実に比べ細長く、先端は嘴状に尖る。花期は6〜9月。(日本の水草) 学名は、Sparganium japonicum ガマ科ミクリ属 |
▼2012年8月26日 雌頭花 八雲 | ▼下部の頭花には柄がある。 | |
▼雄頭花 | ▼雄頭花(上)と雌頭花(下) | |
▼花序は分岐しない。 | ||
▼抽水葉の表面。葉の幅は約8mm。 | ▼抽水葉の裏面には稜がある。 | ▼抽水葉の断面。 |
▼2012年8月8日 若い果実 八雲 | ▼最下の頭花に柄がある。 | ▼若い果実 |
▼雄頭花 | ▼雌頭花 | |
▼雄頭花 | ▼雌頭花 | |
▼果実 | ||
▼2012年10月25日 果実 八雲 | ▼下部の頭花には柄がある。 | |
▼直径約1.8cm。 | ▼横断面。果実の下部に花被片がある。 | ▼花被片が下半部に残る。先端が嘴状に尖る。 |
▼花被に包まれた果実。 | ▼花被(左)、果実は紡錘形、長さ約4mm。 | |
▼果皮の中はスポンジ状のものがある。 | ▼果実には種子が1個入る。 | ▼種子は長さ約2.5mm。 |
▼花被片は4枚ある。 | ||
▼2012年9月20日 若い果実 八雲 | ||
▼2012年7月24日 浮葉 八雲 | ▼浮葉の幅は約9mm、縁は全縁。 | |