常緑多年草 北海道〜九州の丘陵や山地のシイ・カシ帯〜ブナ帯の樹林内に生える。根茎はやや伸長するが、叢生し、顕著な匐枝は出さない。日本海側の多雪地では伸長した根茎が数年分残り、放射状に株が繋がっていることがあり、これが匐枝と誤解されることがある。基部の鞘はやや長く伸び、光沢のある紫褐色。葉はやや柔らかく平滑、幅5〜10mm、常緑であるが、果期には新しいシュートが目立ち、前年葉は枯れ始める。前年の葉の中央には無花茎がつき有花茎はすべて腋生する。有花茎は高さ20〜50cm。雄小穂は線形、長さ2〜4cm。雌小穂は2〜4個、まばらに果胞をつけ、長さ1.5〜3cm、幅2mm。雄鱗片や雌鱗片は褐色を帯びるが、色の濃淡には変異がある。果胞は長さ2.5〜4.5mm、短毛があり、先は嘴となるが、嘴の長短には大きな変異があり、口部は凹形。柱頭は3岐。果期は4〜6月。(日本のスゲ) 学名は、Carex multifolia カヤツリグサ科スゲ属ヌカスゲ節 |
▼2017年3月23日 八雲 | ▼雄小穂の下に数個の若い雌小穂が見える。 | ▼葉の幅は約9mm。 |
▼葉の裏面。 | ||
▼2014年5月17日 宍道 | ||
▼雄小穂は長さ約2cm。 | ||
▼雌小穂は長さ約1.3cm。 | ▼雌鱗片は褐色で果胞よりやや短い。 | |
▼果胞の口部は凹形。 | ▼雌鱗片は長さ約2mm。 | |
▼未熟な果胞は長さ約2.5mm。 | ▼果胞は有毛。 | ▼未熟な果実、長さ1.5mm、付属体がつく。 |
▼葉は幅約8mm。 | ▼葉の裏面。 | ▼花茎は長さ約30cm。 |
▼2014年5月1日 玉湯 | ||
▼雄小穂は長さ約3cm。 | ▼雌小穂には長い柄がある。 | |
▼雌小穂は長さ約2.5cm。 | ||
▼鱗片は褐色で果胞より短い。 | ▼鱗片は長さ約2.5mm、短い芒がある。 | |
▼果胞は長さ約3.5mm。 | ▼果胞は有毛。 | ▼果胞の口部は小さく凹む。 |
▼果実は長さ約2mm、頂部に環状の付属体がある。 | ||
▼葉の幅は約9mm。 | ||
▼2010年5月8日 八雲 | ▼雌燐片は褐色を帯びる。 | |
▼柱頭は3岐。 | ▼果胞は短毛がある。 | ▼新葉。 |
▼葉は丸みのあるM字形。 | ||