ヒシ(菱)

1年草
北海道〜九州の湖沼やため池、河川、水路の淀みなどに生育する浮葉植物。中〜富栄養水域に生育し、最近は富栄養化の進行した水域で異常繁殖する例も見られる。茎は盛んに分枝して伸長し、水面に浮葉を展開する。浮葉はロゼット状に配列し、葉身は卵状菱形または円みのある三角形で長さ2〜5cm、幅2〜8cm、鋸歯がある。葉柄の中央部は膨れて浮嚢となる。各ロゼットに1日に1(〜2)個の花が咲く。花弁は白色で4枚、直径1〜1.5cm。雄しべ4、雌しべ1。果実は4個の萼片のうちの2つが発達して刺になる。全幅3〜5cm、中央の子房突起が突出する。脱落した他の2個の萼片の跡が突起状になることがある。この突起(擬角)の著しいものをイボビシと呼ぶこともあるが、これはヒシの種内変異である。また明らかな4刺を示すものをコオニビシと呼ぶ。遺伝的にはヒシの一型であることが明らかにされているが、しばしば独立した集団を形成するので、区別する場合の学名はT. japonica var. pumilaという新組み合わせになる。花期は7〜9月。(日本の水草)
学名は、Trapa japonica
ミソハギ科ヒシ属
ヒシより全体に小形で、果実の刺が4個あるものをヒメビシという。またオニビシは果実が大形で、4本の刺(2本の上刺と2本の下刺)を持ち、全幅45〜75mm、子房突起が突出せず、果実の肩とほぼ同じ高さとなる。



2004年8月12日 上東川津

ヒシ

ヒシ

2005年9月18日 東忌部

ヒシ

ヒシ

ヒシ




2014年9月14日 法吉果実に2個の刺がある。

ヒシ

ヒシ果実

ヒシ

2005年7月10日 東忌部2004年7月11日 大庭

ヒシ

ヒシ



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松江の花図鑑