落葉高木 本州〜沖縄の丘陵から山地の日当たりの良い適度に湿り気のあるところや沿海地に生える。高さ20m、直径1mほどになる。よく枝分かれして、樹冠は横に広がる。樹皮は灰黒色。小さな皮目が多いが、割れ目はない。本年枝は黄褐色の柔らかい毛が密生する。2年枝は濃紅紫褐色で無毛。灰白色の円い皮目が密生する。葉は互生。葉身は長さ4〜9cm、幅2.5〜6cmの広楕円形で、厚くて両面ともざらつく。先端は急に鋭くとがり、基部は広いくさび形で、左右不相称。主脈と基部から伸びる2本の支脈が目立つ。側脈は鋸歯の先端には達しない。成木の葉は上部3分の1ほどに小さな波状の鈍鋸歯があるものと、ほとんど全縁のものがある。幼木の葉は上部3分の2ほどに鋸歯がある。若葉は両面ともさび色の短い縮毛が密生し、特に裏面に多い。葉柄は長さ約5mm、上面に溝があり、軟毛が密生する。雌雄同株。葉の展開と同時に開花する。雄花は本年枝の下部に集まってつき、両性花は上部の葉のわきにつく。雄花の花被片は長楕円状披針形の4個。雄しべ4個は花被片と対生する。中心部には白い綿毛が密生している。両性花の花被片は4個、雄しべ4個と雌しべ1個がある。花柱は2裂し、柱頭には白い毛が密生する。果実は核果。直径6mmほどの球形で、9月に赤褐色に成熟する。果柄は長さ8〜15mm。果肉は赤く、甘みがあり、干し柿に似た味がするが、水分が少ない。核の表面には網状紋がある。花期は4〜5月。 冬芽は長さ1〜5mm。円錐形で先はとがる。芽鱗は2〜5個。葉痕は三角形。側芽はごく小さい。(樹に咲く花) 学名は、Celtis sinensis アサ科エノキ属 |
▼2019年4月20日 八雲 | ▼新枝の上部に両性花、下部に雄花がつく。 | ▼両性花(左)と雄花(右) |
▼雄花には雄しべだけがある。 | ▼雄花は直径約5mm。 | |
▼雄しべの基部に毛が密生する。 | ||
▼両性花には雌しべと4個の雄しべがある。 | ▼両性花は直径約5mm。 | |
▼柱頭は2裂する。 | ▼柱頭には毛が密生する。 | |
▼雄花(上)と両性花(下) | ||
▼2010年4月24日 両性花 子房の下に雄しべがある。 玉湯 | ▼雄花 | |
▼2010年4月21日 宍道湖岸 | ▼両性花 | |
▼雄花 | ||
▼2011年4月29日 両性花の花後 西嫁島 | ||
▼2011年4月29日 幼果 島根 | ▼本年枝には毛が密生する。 | |
▼2008年5月4日 幼果 東忌部 | ▼側脈は鋸歯の先端に達しない。 | |
▼2015年9月19日 果実 大草 | ||
▼果実は直径約7mm。 | ▼核は直径約5.5mm。 | ▼網目状の隆起がある。 |
▼2009年11月3日 果実 玉湯 | ||
▼2010年8月13日 果実 玉湯 | ▼ほとんど鋸歯がない。 | |
▼2004年5月8日 果実 城山公園 | ||
▼2010年10月10日 幼木 玉湯 | ||
▼葉柄や幹に毛が密生する。 | ||
▼2011年5月4日 八雲 | ||
▼2011年2月26日 冬芽 玉湯 | ||
▼2010年3月6日 冬芽 玉湯 | ||
▼2010年1月11日 冬芽 玉湯 | ▼葉痕は隆起する。 | |
▼2007年1月21日 冬芽 佐草 | ▼1年枝には毛が多い。 | |
▼2011年4月6日 玉湯 | ||
▼2020年5月5日 大庭 虫えい(エノキハトガリタマフシ) | ▼葉の表裏にできている。 | |
▼2008年6月1日 八雲 虫えい(エノキハイボフシ) | ||
▼2006年7月15日 鹿島 虫えい(エノキハコブフシ?) | ||
▼2006年8月26日 玉湯 虫えい(エノキハイボフシ) | ▼葉裏 | |